第53章 【月島 蛍】僕は君が嫌い。
「いいから、これ着て!」
僕のトレーナーを強引に彼女に着させる。
これで下着は見えないだろうと安心する。
「つ、月島…。それはそれで目のやり場が…」
澤村キャプテンの言葉に改めて彼女を見る。
真夏の今日は猛暑。
彼女はジャージを太もも半分くらいまでまくり上げていて、
僕のトレーナーを着たら、そのジャージが見えなくなり、なんともきわどい状態になっていた。
「ひろか、ジャージ下まで下げて!」
「暑いよ~」
「いいから!」
「えぇ~・・・」
渋々ジャージを下げて、一件落着。
「月島、ありがとな」
「別に…」
「なんかさー、月島ってひろかのお兄ちゃんみたいだよな~」
「菅原さん、本当やめてくださいよ。絶対嫌ですよ、あんな妹」
澤村キャプテンと菅原さんはまぁまぁ、と笑った。