第50章 【澤村 大地】性癖
次の日、彼は私を呼び出した。
「1日ちゃんと考えた」
「・・・うん」
「その・・・俺、今部活ばっかで、他のこと考えられなくて。だから、佐藤とは付き合えない」
あぁ、これだ。
こういう所も好き。
とりあえず付き合って色んな事をしてみたいなんて、思春期の男子だったら当然の事なのに。
そして、バレーが大好きで、結構バレーバカな所も彼らしい。
「そういう澤村も好きだよ」
「・・・やめろよ」
「だって、好きだし」
「・・・・」
彼は困った顔で頭を抱えていた。
「とりあえず、私は澤村の事好きだから。だから、部活引退するまで待ってみます!」
私は彼にそう言って、その場を去った。
「大地ー、かまってよー」
「佐藤は課題終わったのか?」
「とっくの間に終わってます~」
彼が部活を引退して、私は念願の彼の隣をゲットした。
「問7って答えB?」
「うーん、Cだね」
「マジでか!」
「教えてあげたんだから、かまってよ」
彼の部屋で勉強が日課になった。
私はすでに課題を終えてベッドの上に寝そべる。
彼は最後の答え合わせをして、やっとベッドへ来てくれた。
「ねぇ、なんでまだ名前で呼んでくれないの?」
「だって、お前が苗字で呼ぶところがいいって言ったんだろ?」
ふふふ。こういう所を気にする所も好き。
「彼女以外はみんな苗字で呼ぶって所がいいんじゃん。彼女だけ名前で呼ぶって所に特別感があるんだよ」
彼は、お前ワガママだなって笑った。
「・・・ひろか」
「ふふふ。もう一回呼んで?」
「・・・ひろか」
照れた顔もものすごく良い。
「もう一回?」
「・・・ちょっと黙れ!」
彼は私を黙らせるために唇を塞ぐ。
さっきまでの照れた顔はどこへいったのか。
すっかり男の子から男へ変わっていた。
「普段は優しいのに、結構Sっ気ある所も好き」
うっ、と動きを止めた彼の首に腕をからませ、今度は私が彼の唇を奪う。
「ねぇ、大地。私どうしたら大地を嫌いになれるんだろう?」
「えっ?」
「大地が何をしても私のツボをついてくるんだもん」
再び彼の唇を塞ぎ、彼の口内の暖かさを確認する。
「キスした後の顔もセクシーで好き」
私は指で彼の唇に触れる。彼は少しくすぐったいのか、身体をビクっとさせる。