第50章 【澤村 大地】性癖
部活終わりに教室で彼を待った。
「すまん、遅くなった!」
急いで来たのだろう。
ジャージのままだった。
「制服に着替えてほしいなー」
私がそう言うと、汗臭いか!?と焦っている。
いや、汗の匂いなど気にしない。むしろ男子高校生は汗臭いくらいがちょうど良い。
「澤村の制服姿が好きだから」
私の言葉にちょっと驚いて、ちょっと待ってろ。と着替えに行く。別にジャージ姿やユニフォーム姿が嫌いなわけじゃない。むしろかっこいいのだ。かっこよ過ぎるから嫌だ。
着替え終わった彼が、これでいいか?と少し困ったように笑った。で、どうしたんだよ?と話を切り出される。
「澤村はさ、好きな人とかいるの?」
私の質問になんだよ急にって笑い、今の所はいないかなって答えた。女の子に呼び出されて、好きな人いるか聞かれたら、まさか自分に興味があるのか?とか思ったりしないもんかね?まぁ、そう言う所がいいんだけど。
「佐藤こそいないのか?」
「いる。けど…」
「けど何だよ?彼女いるとか?」
「いない。好きな人もいないらしい」
彼は私の前の席に腰かけた。
「なら気持ち伝えたらどうだ?佐藤は可愛いし、明るいし、男子に人気なんだから、お前に告白されて断るやついないだろ?」
相手が自分だと気づかずにアドバイスする鈍感さ。たまらなく好きです。
「私ね、澤村の制服姿が好きだよ?」
「それはさっき聞いた…ぞ?」
「あとね、半袖じゃなくて長袖を捲ってるのがセクシーで好き」
は??と袖口を見て、あたふたしてる彼に私は更に続ける。
「あとね、絶妙な腰パン加減も好き」
「お前の好みの話か?」
次はベルトに手をかけ、スボンの位置を直している。