第45章 【黒尾 鉄朗】ヒーロー ~約束~
ひろかはどんどんとおばさんに似てキレイになっていった。変な虫がつかないように、俺はいつもひろかの傍にいた。俺たちが付き合っているという噂はあっという間に広がった。
別に否定はしなかった。そうすれば、変な輩が寄ってくることはないだろうし。と思っていた。
それでも、勇敢な奴らがひろかに寄ってくる。
「佐藤、黒尾と付き合ってないって本当か?俺ずっとお前の事・・・」
「ひろか!帰るぞ!!」
俺は勇敢な彼の告白の途中にひろかを連れ出す。
「クロどうかしたの?」
「お前、今の告白だぞ?」
「えっ!?嘘!?・・・私、男の子苦手…」
動揺するひろかに俺は笑ってしまう。
「俺だって研磨だって男の子だろ?」
「けっ、研磨は従兄妹だし、クロは…特別だし」
“特別”の響きに俺は胸が躍った。
「なら、今後男に呼び出されても行くなよ?それか俺に言え!守ってやるから!」
「うん!約束ね?」
なんて自分勝手な約束だろうか。
それでも、その時はひろかを守ってやっているんだと思い込んでいたんだ。