第43章 【澤村 大地】ヒーロー ~最後の文化祭~
秋になり、烏野高校では文化祭準備が始まった。
「じゃぁ、文化祭の実行委員に立候補するやついるか?」
シーン
誰も手を挙げる事なく、担任は頭を抱えていた。
「おっ、そうだ!佐藤やってくれ。お前、部活も入らなかったし、烏野での思い出作れ!」
「えっ…いや、私は・・・」
佐藤が慌てて抵抗しようとしていたが、担任はそんなの聞くはずもない。
「もう一人は…誰がいいか・・・」
ガタッ
「おっ、俺やります!」
「おぉ、澤村だったら心配ないな。よろしくな~」
そう言って担任は教室を出た。
俺はすぐに佐藤の元へ向かった。
「本当…強引だよな」
俺が話かけると、佐藤は大きくため息をついた。
「最悪…」
「まぁまぁ!俺がクラスの奴らに伝える系のことはやるからさ。一緒に頑張ろうな?」
俺がそう言うと佐藤は観念したのか、少し笑ってありがとう。と言った。
佐藤は嫌がっていたけど、俺は彼女と一緒にいれる時間が増えることに喜びを感じていた。