第42章 【澤村 大地】ヒーロー ~夏合宿~
澤村side
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俺たちは夏休み、長期遠征合宿のため埼玉の森然高校に来ていた。
試合は見事に全敗。いっそ清々しいくらいだった。
俺たちが自主練を終えて、風呂に向かおうとした時、黒尾達が騒いでいることに気付く。
「ひろか~!ちゃんと向こうでやってるか?」
「もう、クロ!髪崩れるよ~」
黒尾にからかわれていたのは佐藤だった。
「・・・クロ、やめなよ。ひろかが嫌がってる」
「研磨の言うとおりだ。せっかく久しぶりの再会なんだから、ひろかを独り占めすんな」
そこに孤爪や夜久達が集まってきた。
なぜ佐藤がここにいるのか。俺は理解出来なかった。
そして、それよりもいつも見る佐藤とはキャラが全然違って、そのギャップに戸惑ってしまった。
「あれ?佐藤さん?なんでここにいるの?」
隣にいたスガが声をかけた。
「・・・澤村くん?…なんで!?」
黒尾が俺たちと佐藤を何度も見て言った。
「えっ!?もしかして、ひろかの転入先って烏野だったの?」