第34章 【岩泉 一】私を旅館に連れてって
「ひろかちゃん!診察お願いします!」
委員長の思惑通り、男性客のほとんどが注文したドリンクを一気に飲み干して、出口にある診察室に並んだ。
そのおかげで回転率はかなりいい感じ。
パーテーションで仕切られているから、余計に期待感を高める効果がある!とか委員長が言っていた。
「次の方どーぞ!」
次に来たのは、及川くんだった。
「いい!エロい!いいねー!」
及川くんがいつものようにはしゃいで私に抱きついて来た。
「おい。うるせーぞ、及川!」
その声を聞いてパーテーション内に入って来たのは
「はじめ….!?」
「ひろか!!??」
ヤバイ。
及川となんか回らねぇよ、って言ってたし、及川くんに口止めするの忘れてた。
「ひろか!ちょっと来い!つーか、及川離れろ!ボケェ!!」
私ははじめに手を引かれて、教室を後にした。