• テキストサイズ

【★ハイキュー!!★】短編集

第28章 【夜久 衛輔】理想のキス


「夜久さ~ん!」

彼女の声はすぐに分かる。
俺が振り向くと、大きく手を振って笑うひろかちゃんがいる。
購買前で合流して、一緒に列に並んだ。

いつもニコニコしていて、人懐っこい性格のひろかちゃんに初めて会ったときから、俺は恋をしていた。

「おっ、ひろかじゃん」

俺たちが後ろを振り返ると、クロが立っていた。
クロとひろかちゃんは本当に仲良くて、いつもじゃれ合っていた。そんな2人を羨ましいと思う。

「・・・クロ?なんかついてるよ?」

ひろかちゃんが背伸びをしてクロの頭に手を伸ばす。
それに合わせてクロが少し前かがみになった。

そんな2人とこないだ見たマンガのシーンがダブった。

「俺、ちょっと・・・」

俺はその場にいるのが辛くなって、並んでいた列から外れた。







「夜久・・・さん?」

俺はお昼も食べずに校庭のベンチに座っていた。
そこに聞きなれた彼女の声が聞こえる。

「どうかしたんですか?」

そう言ってひろかちゃんは俺の横に座った。

「良かったらどうぞ」

ひろかちゃんは購買で買ったパンを差し出す。

「夜久さん、このパン好きですよね?」

「えっ…?なんで知ってるの?」

ふふふと笑って、ひろかちゃんはパンを頬張っていた。




「本当、クロと仲いいよな」

「そうですか?まぁ、小さい頃から一緒ですしね」

ひろかちゃんは少し不服そうにそう言った。

「なんか…お似合いだって思うよ。クロとひろかちゃん」

「えっ・・・?」

俺はそう言って、教室に戻った。

何を言ってるんだろう。
わざわざそんなこと言うことなかったのに。
でも、クロとひろかちゃんを見ていると、
告白もしてないのにフラれた感じがしたんだ。





/ 700ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp