第26章 【月島 蛍】バカじゃないの?
「・・・だから、離してもらえませんか?これをネットに流されたくなかったら」
そう言って、蛍は携帯で撮影した動画を再生した。
そこには彼らの悪事が映っていた。
「僕、若いんで結構キレやすいんですよねぇ。どうします?」
蛍の表情から殺気が感じられた。
「わっ、わかったから!返す、ほらっ」
ナンパ男たちの腕から逃れた私はすぐに蛍の元へ行った。
「あっ、僕ら帰るまで油断してないんで、よろしくお願いしま~す」
そう言って、蛍は携帯画面を彼らに向けてひらひらと手を振った。