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【★ハイキュー!!★】短編集

第26章 【月島 蛍】バカじゃないの?


「あっ!どうしよう!今何時か分かりますか?」

「ごめん、俺も携帯置いてきちゃったから…」

ついつい話に夢中になっていたら、日が沈んできていた。
私たちは海の家からかなり離れた場所まで来ていて、人影がなく、シーンと静まっていた。

「早く、蛍の所に戻らないと!」

焦って戻ろうとする私を、相沢さんが引き止めた。

「ひろかちゃん、俺…会ってすぐで変かもしれないけど、俺…ひろかちゃんが好きだ!彼氏がいるのは知っているけど、俺の方がきっとひろかちゃんを幸せに出来る自信があるよ」

相沢さんがすごく真剣な顔をそう言ってくれた。
嬉しかった。でも、その時私の脳裏に映ったのは蛍の顔だった。

「・・・ごめんなさい。でもやっぱり私…蛍が好きなんです」

私は相沢さんにお辞儀をしてその場を去ろうとした。

「ちょーっと待った」

「相沢~、珍しいじゃん。お前がしくじるなんて」

去ろうとした私の前に現れたのは、さっきのナンパ男たちだった。

「相沢・・・さん?」

私は後ろを振り返ると、さっきまでの優しい相沢さんはいなかった。

「ひろかちゃん、ごめんね~。俺、こいつらと何人俺に落ちるか賭けててさ~。さっきの話とかも全部ウソだから」

「お前、最低ーーー」

「「アハハハハ」」

「ってことで、お前ら持ってっていいぞ」

相沢さんがそう言うと、さっきのナンパ男たちが私の腕を掴んだ。

「いや、やめて・・・!」

「あれでしょ?結局長身のイケメンが好みなんでしょ?簡単に騙されるとかバカでしょ?」

私は自分のバカさに涙が止まらなかった。
ナンパ男たちの言うとおりだ。

本当私って・・・


「バカじゃないの?」



「けっ、蛍!?」

そこには呆れた顔で私を見る蛍が立っていた。

「あの、その人離してもらえますか?」

「残念。それは無理~。それか俺たち3人相手にケンカでもする?」

「・・・いえ」

「アハハハ!ひろかちゃん、見捨てられてる~可哀そう~」

本当に見捨てられたんだ…。
私は蛍の顔を見ることが出来なかった。


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