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鳥になった少年の唄

第2章 再会


監督に挨拶をしている間に「彼」が全員を集合させる。

「今日の練習は見学者がいる。僕の婚約者の小鳥遊潮里だ」

部員達の間にざわめきが起こる。私は無難な作り笑顔で自己紹介した。

「初めまして。小鳥遊潮里と申します。今日は皆さんの練習を見学させていただきます。よろしくお願いしますね」

「赤司の彼女じゃ無くて婚約者なんだ⁈」

「はい、そうです。あ、これ差し入れのレモンの蜂蜜漬けです。休憩時間に皆さんで召し上がってください」

お口にあうかはわかりませんが、と付け加えて包みから容器を取りだす。また部員の間でざわめきが起きた。それを面白くなさそうに一瞥して「彼」が口を開く。

「練習中は決して気を抜くな。少しでも気の抜けたプレイをしたものには与え無い」

「えー、赤司横暴」

「まあ、手厳しいわね」

「ちょっとくらいいいじゃねえか」

皆口々に異議をとなえたが、「彼」はそれを一蹴した。

「洛山の名にふさわしいプレイを見せろと言っている。それができないものは去れ」

「皆さんのお邪魔にならないようにしていますのでいつも通り練習してください」

「彼」を経由してマネージャーと思しき人に容器を渡す。ドリンクの入っているクーラーボックスの中に入れられた。それを見届けてから再び口を開く。

「それでは私は観客席にいますので。征十郎さん、観客席にはどう行けばいいですか?」

「ああ、舞台側の入口付近に階段がある。そこから観客席に行ける。練習が終わったら僕が迎えにいくからそこから動くな。いいね?」

「はい、わかりました。皆さん練習頑張ってくださいね。失礼します」

私が移動すると同時に練習が始まった。


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