第2章 再会
「それで今日のことだが、監督に許可は取ってある。部員達にも君を紹介したいから僕が呼ぶまでは体育館の外で待っていてもらうことになる」
「わかりました」
「誰かに声をかけられてもついて行ってはいけないよ?」
「私はそんなに子供ではありません」
「そういう意味じゃない。君はもっと自分の魅力に自覚を持つべきだ」
本当に何を言っているんだろうかこの人は。私の容姿など、どう欲目で見ても中の上がいいところだ。美人な訳でもかわいい訳でもない、どこにでもいる平凡な娘。それが私だ。
「潮里の謙虚で控えめなところは長所だが、自己評価が低すぎるのは短所だな」
自己評価が高すぎる方が問題だと思うが黙っておこう。
「君は十分すぎるほど魅力的な女性だ。この僕を魅了してやまないんだからね」
「ありがとうございます」
蓼食う虫も好き好きというが本当だ。
「とにかく、僕が呼びに行くまでは待っているように」
「わかりました」
朝食を終え身支度を整えると、お弁当とレモンの蜂蜜漬けを持ち玄関へ向かった。車が一台待たせてあった。
「それじゃ行こうか、潮里」
「はい」
車に乗り込み洛山高校へ向かった。