第2章 再会
お弁当を作り終えると、厨房のスタッフにお礼を言ってダイニングルームへと向かった。朝食の準備はもうできている。ダイニングルームへ入ると「彼」は既に席へ着いていた。
「おはよう潮里、今朝は顔色がいいようで安心したよ。ゆっくり休めたようだね」
「おはようございます征十郎さん。お陰様でゆっくり休めました。お待たせしてしまって申し訳ありません」
「構わないよ。潮里が僕のために昼食の準備をしてくれているんだ。いくらでも待つさ」
「申し訳ありません」
「構わないと言っているだろう?それより朝食が冷めてしまう。席についたらどうだい?」
「それでは失礼します」
用意された席へつく。「彼」が好むからだろう、メニューは和食中心だ。
「いただきます」
さすがは赤司家だ。腕のいい料理人を揃えている。薄味だが出汁が効いていて上品な味わいになっている。
「気に入ってくれたようだね」
「はい。とても美味しいです」
「潮里の手料理ほどではないよ」
どう考えてみてもたかが高校生の手料理よりプロの料理人の作るものの方が美味しいに決まっている。それなのに何を言っているんだろう、この人は。
「僕が世界一だと言ったら潮里の手料理は世界一だ。反論は許さない」
「恐れ入ります」
ここまで徹底していると反論する気も起こらない。