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第2章 超能力者





「怒らないで聞きなさいよ?」



もったいぶったような口調で真栄田理恵は俺をじっと見て話した







「予定変更よ。
身体検査はいますぐここでするわ。」



「・・は、はぁ?!」




俺は驚きのあまり箸を床に落としてしまった








「てめぇ、俺の家で身体検査なんてできねぇだろ?
ってか、なんで予定変更なんだ?!」




「当初は、反政府軍・・・通称〈Rescue〉が犯行声明をだしてから、48時間以内の交渉だったのだけど・・
犯人たちが人質の一人を殺してしまってね。
計画が変更されたの。」







「反政府軍〈Rescue〉が要求している事とやっていることが矛盾している。
だから、こっちも方針変えよってか?」



「そううこと。
はい、左腕をだしなさい」






真栄田理恵は俺の左腕の袖をめくり、注射器をとりだした


注射器の中には紫色のドロッとした液体が入っている







この液体は俺たち超能力者の力の源で、〈ヴァイガー〉っていう。

超能力者は一日に二回、ヴァイガーを摂取しなくちゃ生きていけない




摂取時間も決められていて、昼の12時と夜0時に摂取する





時間を決めることで超能力者の無駄な能力使用を防ぐことになる。







もし、ヴァイガーが体内から消えると超能力は使えなくなり

理性を失い、暴走する



人の形も失い、本物の化け物になっちまう


そうならないためにも、俺は真栄田理恵を通じて

ヴァイガーを接収している




超能力者なんて、薬物中毒者と同じなんだ。



何もなく、予定通りにすすむなら、今ヴァイガーを摂取する必要はない


朝の6時半だからな


今摂取すれば、超能力なんて簡単に使えてしまうほどの活力を得られる






・・・・ということは

これから超能力を使う必要がある、ということを意味するわけだが・・・――――――。











俺が一番気に入らねぇのは、ヴァイガーを投与してる時の

真栄田理恵の表情だ





マッドサイエンティストみてぇな顔になるんだ




超能力者の腕に穴をあけながら薬物いれるのがそんなに楽しいのか



俺には理解できない。










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