第2章 超能力者
ピンポーン
「・・・はぁ?
こんな朝早くに客か?」
早朝6時半にくる客なんて
俺は心辺りがなかった
だから出迎えるまでもないと思ってたが
クロードは違う
武器をもたず、なんの警戒もなく玄関に向かっていった
あいつには人知センサーがついてる
今みたいに誰かがインターホンを鳴らせば
まず、俺の周囲の人間か確認する
体温、心拍数、血液型など
人それぞれの特徴を読み取って、頭の中で整理するんだ
知り合い・・・つまりクロードの記録の中に入ってる
人物なら、あいつは武器を持たずに出迎える
けど、武器を持ちながら玄関にむかった時は
敵がきたという証拠。
・・・まぁ、今回は違うようたが。
俺は玄関でクロードと誰かが話している声が聞こえたが
聞こえないふりをしながら、ひたすら朝食をとった
次第に声が近づいてくる
女の声
聞き覚えのある声
クロードがやけに礼儀正しい
「・・・おい、この声・・・」
「デビットォ~
おはよぉー♪」
橙色の短髪にパーマをかけたふけたメイクのチビ女
一旦みると中学生みたいな背丈
なのに言うこと、考えること、声は立派な大人だ
「・・・なんでお前がこんな朝早くにくるんだよ!
真栄田理恵!」
PBE〈超能力者身体検査〉の担当医、真栄田理恵
趣味以外詳細不明のこの女が
俺の家にづかづか入ってきた理由は
なんとなく想像できた
しかも、クロードが礼儀正しくしてるのも理解できる
クロードや他のサイボーグはこの真栄田理恵を中心に結成された
対超能力者技術課に造られたからだ。
真栄田理恵は医者と同時に、サイボーグの開発者でもある
全世界に散らばってる超能力者の監視をしている
サイボーグの生みの親ってわけだ
「デビット、相変わらず朝食はクロードに作ってもらってるの?
かーわぁいい~!」
馬鹿にしたような口調で真栄田は
テレビ前のソファに座って話す
「うっせぇ!
とっとと用件を話せよ!」
俺は半切れになりかけながら答えた