第2章 超能力者
「・・敵は殺してもいいんだよな?」
「それはクロードを通じて本部から直接指令が来るわ。
あなたは、さっさと準備を済ませて、作戦場所までいかなくちゃいけないの。」
「へー。」
俺は注射をされながら、真栄田の事をいっさいみることなく話し終えた
「――――情報、受信しました。」
静まり返った部屋で、クロードの目が黄色に光って話す
サイボーグは目の色で何をしてるのかわかる
通常は灰色の目をしてる
赤色なら警戒
黄色なら情報受信、送信
青なら充電中
緑なら感情の起伏が起こっていることになる
クロードはアンドロイドじゃねぇ
サイボーグだ
つまり、100%機械でできてるわけではないことから
人としての感情を残している
普段は機械みてぇに振舞うが、それはきっとこいつの本心じゃない
だから、俺が一度自殺しかけたとき、クロードはただ止めるだけじゃなく
怒鳴って怒りやがった
あの時のクロードを見ているからこそ、俺はクロードを
信用している。
「上の奴らはなんて?」
呆れた表情で話す俺に、クロードは冷静沈着にこたえた
「これより、反政府軍沈着作戦00を開始する。
デビット、及び監視用サイボーグは自宅から300メートル離れた場所に駐車しているワゴン車に乗車。
そこで作戦指令長からの命令を待て・・・と言っていた。」
「なら、さっさと行こうぜ。」
俺が支度をするために自室に入る瞬間、真栄田理恵は
クロードに何か渡しているのが見えた
白い封筒だ
まさか、中身はお金でした~
なんてアホみてぇな賄賂じゃねぇだろうな・・。
俺は部屋に入ってまず、鏡の前に立った
8畳の部屋にはベットと全身を移せるほどの鏡と、机、本棚しかない
ごくシンプルな自室
ま、家具の必要性や配置もクロードが決めた事で
俺が例え『ソファが欲しい』といっても、きいてもらえないだろう
それほど、俺たち超能力者には権限がないんだ
「・・・あーあ、つまんねぇ。」