第2章 超能力者
「―――――・・私には、義務を果たすことしか残っていません。
そして、義務を果たすと決めているのは、私自身の意思です。」
「・・・。」
「デビットに敬語を使うのはプログラムからの強制や
反抗から招く廃棄を恐れての事ではありません。
どうか、重々承知してください。」
「あー、そうか。
おまえがそこまで言うなら、俺は何もしねぇよ。」
俺は時折考える
サイボーグとなってしまった奴らは、感情を残しているなら
なんでロボットみてぇに振舞うんだ、って・・・。
もちろん、脳の90%は機械でできてるから
電子プログラムとかあって、合理的に考え、機械の口調になるのもわかる
しかも、こいつらは恐怖をかんじない
だから余計に考え方が機械になっちまうんだ
気付かないうちに、完全に機械化しちまって
わずかに残っている意思さえも失ってしまうんじゃぇかと
俺は疑ってしまう
普段、他人の心配なんてしない俺は
サイボーグだけには同情しちまう
こいつらは、俺たち超能力者よりはるかに過酷で残酷な仕打ちをうけてきてる
だから、クロードと自分の立たされている立場を比較すれば
どれだけ楽な生活を送ってるか、気付かされる
まぁ、そうやって、超能力者たちが自分は不便な立場じゃないと
感じさせるのがDESU本社の思惑だったりするんだがな
「あーあ、仕事前に陰険な話しちまったな!」
背伸びをしながら、俺は部屋をでようとした
クロードの横を通りすぎようとした瞬間
こいつは俺に頭を下げた
「・・デビット、私はあなたに心配をかけられるような存在ではありません。」
「は・・はぁ?」
「今後、俺の事を気に掛けることはやめ、仕事と社会への貢献に専念してください。」
「・・・」
「もし、私自身の振る舞いや行いが原因なら」
「おいおい、ネジでも吹っ飛んだか?」
俺はクロードの髪をつかんで無理矢理頭をあげさせた