第2章 超能力者
俺は自分がおかれている現状を考えれば考えるだけ
不愉快感がたまっていく
〝そこは"人間と同じだ
「・・・」
鏡に映る自分の姿は、血を浴びたような真っ赤な短髪に
左目には黒い眼帯をかけている
生まれた時から赤髪で左目の強膜が黒くなっている
体の一部が黒く変色するのは、超能力者の特徴で
他の奴らもなっているが、目が黒くなっているとなると
かなり人目につくから、俺は普段眼帯をして隠して生活している
ただでさえ「超能力」って単語を発してだけで煙たがられる社会なのに
眼帯なしで出歩けば、「襲ってください」っていてるようなもんだ
まともな教育は受けてない俺でも、さすがにそこまで馬鹿じゃない
俺は寝間着から、私服に着替えた
本社に出勤するときは専用の服を着ていくが
それは外をあまり出歩かない時だけで、そんなことはめったにないから
クローゼットの中にしまわれている
もう長いこと着てないせいで、ほこりかぶってんじゃねぇか・・?
コンコンと、ドアをノックする音が聞こえた直後
クロードが入ってきた
「準備はできましたか?」
「ん、あ・・ああ。」
着替え終わった俺は、左目に眼帯をかけた
その様子を黙って見守るクロードを
俺は鏡越しで話す
「なぁ、クロード」
「なんでしょうか」
「いい加減、俺に敬語で話すのはやめてくれねぇか?
お前はアンドロイドじゃねぇだろ。
サイボーグなんだ・・・人としての意思っってもんがあんだろ?」
「・・・。」
「人としての感情があるなら、お前がしたいように話せよな。
俺に敬語なんて、使いたくないんだろ?」
「仮に、デビットに敬語を使いたくないと思っていたとしても、超能力者には敬語で話すよう、サイボーグには義務付けられています。」
「だからだな、俺が言いたいのはっ・・・・・!」
「果たさせてください。」
「!」
クロードは瞳を緑色に光らせて、俺を見つめて話す