第1章 *片想い[高尾和成]/裏
ズルッ
そんな音で急に下の圧迫が収まった。
散々私を翻弄した指が眼前にかざされる。
「はぁっ、はぁ…」
「ブフォッ!!
ちょ、早すぎっしょっ…」
簡単には逝かせてくれない訳で、
半端なく疼く私を知ってか知らずか、こいつは呑気にも吹いている。
「チッ…殴りたいわ」
「ブッッ!!殴れねぇくせにっ…」
「…うっさい」
本当に、何でだろう。
何でこんな奴を好きになってしまったのか。
出来るなら、あのときの自分を殴りたい。
そうでなければこんなにも欲に正直になることも、
…こんなにも心臓がうるさいこともなかったはずだ。
「言わなきゃわかんねぇよ?ちゃん」
「…え?」
「ココ。そろそろやばいんだろ?
ちゃんとねだったらご褒美くれてやっから」
こんなことして、何が楽しいのか。
にんまり止めを細める和成に見いりながら思った。
…恥ずかしい。
濡れたシーツに盛大なため息をひとつ。
「いっ……逝かせて、…和成のでっ…」