第1章 *片想い[高尾和成]/裏
「真ちゃん、お疲れ!!
あ、…和成も!!」
「ちょ、付け足しはひでぇっしょ!!
しかも真ちゃんの、だぜ?」
ぽん、と肩に手をおかれて体がビクッと震えた。
「へぇ…ま、オレんち来るっしょ?」
こいつに耳元でささやかれるのにはどうにも弱い。
気が付いたら「うん」って言っていて、
にんまり笑う顔にすら柄にもなくドキッとしてしまう。
「んじゃ、待ってるわ」
いつものことだった。
どれだけ毒を吐いても嫌いになれない。
悔しいけれど。
「お邪魔します」すら言えずに家に引きずり込まれるのも、全部。
“カラダだけ”でいい。
そう選んだのは私だから。