• テキストサイズ

気まぐれなおもちゃ箱 [ごちゃまぜ]

第3章 *夏風邪[沖田総悟]


「、」

不意に総悟が口を開いた。
思いの外、優しい声。


「してほしいことがあるなら、
言わねェとわかりやせんぜ」



どうやらお見通しだったようだ。


…心配してほしかったことが、

優しくしてほしかったことが。



伝えようと口を開くたびに嗚咽が邪魔をする。




不意に熱いものが喉からせりあがってきて弾けた。



泣きじゃくる私の頭に暖かいものが触れる。



初めての感覚だったけれど、
それは紛れもない、総悟の手だった。



「…うっ、そっ…ごお…」


ただ、髪に触れる総悟の手に安心したというか。


「心配して、ほしい…」



ビックリするくらい小さく震えていたけれど、


言葉が、涙が、止まらない。

/ 22ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp