第3章 *夏風邪[沖田総悟]
「付き合って浮かれてたのは、私だけっ…?
総悟は本当に私の彼女なの?
本当に私のこと、好き?」
違う。
こんなことを総悟に言いたいんじゃなかったのに。
気が付けば必死に不安な気持ちをぶつけていた。
「ねぇっ」
「今更んなこと聞くもんじゃねェ。
……当たり前だろィ」
言葉を遮られたまま、
ど初めて彼に身を預けた。
半ば強制的にだけど、腕の中は案外心地いい。
「言い忘れてやしたけど、」
好きな奴には虐げたくなるのがSってもんでさァ。
分かったら泣き止みなせェ。
「んっ…」
それは一瞬で。
昔思い描いたようなロマンチックなものでもなかったけれど。
確かに、
唇に柔らかいものが当たった。