第3章 *夏風邪[沖田総悟]
「大丈夫か?」
近藤さんの声が枕元に聞こえて、布団から顔を出す。
あぁ…土方さんもいるのか。
背後から独特のタバコの匂いがする。
ほどなくして目の前にコトリ、とお粥が置かれた。
「まだ熱いから…気を付けろよ」
「じゃ、お大事にな」
なんて優しいんだろう。
いつも生意気な態度しか取らない新兵に。
…等と感激するが、「はい」ということさえ億劫に感じるくらいしんどい。
……総悟の姿は相変わらずこにもない。
彼女がこんな状況なのに。
まあ来ないことは予想していたけれど。
目はどうしたって探してしまう。
…ほんっと、私のバカ。
申し訳ないけれど、二人が出ていくのを待たずして、
私は意識を手放した。