第2章 *擦れ違い[鬼灯]
バンッ
喫茶店の机が揺れた。
というか私が机を叩いた。
立ち上がって目下の男…もとい鬼灯さんを睨む。
時刻は午後5時。
昼ドラみたいな演出…って言ってもこの男には通じないんだろうけど。
とりあえず白澤とは楽しく過ごした。
…後ろに鬼灯さんがいたことを除いて。
白澤と別れてから彼の腕を引っ付かんで喫茶店に入って…
今に至る。
「ほんっとにどういうつもりなんですかっ!!」
「どういうつもり、とは?」
首をかしげる。この期に及んでまだとぼける気か。
「だってあれストーカーじゃないですかっ!!
訴えますよ!!」
「落ち着いてくださいさん。
説明しますから座ってください」
なぜ上から目線なんだ、と軽く殺意すらわく。
まあデート紛いの現場を見られたんだからいくら私でも怒る。
「あーイライラする」
涙すら出そうだ。
とりあえず精一杯不機嫌な顔で運ばれたアイスティーをすすった。