第2章 あの日から
「悪いようにはしない。いいからうちにおいでよ、ミモザ 」
結局、押し切られるようにゾルディック家行きが決まった。
学校は退学したが、通信教育を受けることにした。
ゾルディック家に身を寄せて早3ヶ月。
最初の頃は、奇妙な家だと思っていたけれど、だんだん慣れてきた。
自由に外へ出かけることはできないけれど、そのおかげで安全だし、通信販売で何でも手に入るから、不自由はしていない。
それに、ゾルディック家の人たちは案外親切なので、安心している。
特に、ゼノおじいちゃんは私に優しい。
外から取り寄せた、毒なんか入っていないお菓子を私にくれたり。
気になるのは、イルミさんの存在。
何かと私に絡んでくる。
新しくできた妹のように思われているのかもしれない。
ちょっとスキンシップが多い気がするけど、ありがたいことよね。
相変わらずモデルみたいな容姿だから、会う度にどぎまぎしてしまうけど、私もお兄さんのように思ってもいいのかな。
のんきにそんなことを考えていたある日。