第10章 ターゲット(イルミ/吸血鬼パロ)
「…なんで?」
「…し、したい、…からッ…」
自分でも何を言っているのかよくわからなかった、無意識だったんだと思う。
無意識に心のどこかで、イルミの唇はあったかいのか冷たいのかどっちなのかなって思ってたのかも。
イルミは私に顔を近付けて唇が触れそうな位置でこう言ってた。
「…人間て色んな物食べるでしょ、どうもその臭いが嫌いでさ」
「……ん、……っ…」
それでも一瞬触れる程度のキスをしてくれた。
唇は私の想像通り、やっぱり冷たかった。
これから私の事を殺して血を吸うなんて言ってるけど、名前も教えてくれたしキスもしてくれた。
馬鹿だなって思うけど、イルミってほんとは優しいんじゃないかなって感じてた。
イルミは私の脚を掴んで大きく開くとますます体重をかけて激しく私を突き立ててきた。
もっと激しい彼を感じたいと思う自分と、終わりが嫌だから激しくしないで欲しい自分が頭の中で同居してた。
どっちが正しいのかなんてわからないし、わかりたくもない。
急に そんな私の混沌とした頭が一気に澄み渡るような激痛が首元に走った。
「…きゃっっ!!!…ッ、…い、…、」
「…美味しい、…リネル…」
「…首は、噛まないんじゃ、…ッ、なかった、の?…」
「…普段はね、…でもリネルが、あんまり美味しそうだから、…」
首元を強く噛まれて溢れる血液に貪るように舌を這わせてくるイルミを見ながら、私はいよいよ最後が近いんだなって感じた。
イルミは私の首筋を音を立てて舐めながらも、腰の動きを休めることなく私を突き動かしてくる。
私ももう限界だった。
痛みと快感と、恐怖と愛にも似た感情と、自分でも何がなんだかよくわからなかった。
「…んっ、はあっ、…イ、イルミ、…私っ、……あ…イッ…ちゃ、…………!!!」
「…最期に最高の、ご褒美あげる…」
そういうとイルミは私のナカに精液を吐き出した。
精液なのかな?
でもさっき人間と交配なんて話をしてたし多分そうなんだと思う。