第10章 ターゲット(イルミ/吸血鬼パロ)
「っ…なんで、こんな事するの…?」
「…リネルの血をもっと美味しくするため」
「え……?」
「興奮した人間の血は最高のご馳走だから。人間だって食材の鮮度や火の通り方とかで味を追求するでしょ?」
あくまでも私は食糧だとはっきり言われているのに、私には全然恐怖もなくて、ただただ目の前の美しい吸血鬼をずっと見ていたかった。
彼はそれをわかった上でか私を煽るように今度は私のナカに細長い指を侵入させてきた。
「はっ、…あ!…あぁ…!」
「…もっともっと、美味しくなってもらわなきゃね」
彼はそう言うなり指を器用に動かしはじめる。
どんどん動きを早められると、快感からくる生理的な涙で私の視界は濡れて滲んでいった。
私はぎゅっと目をつむって涙を拭った。
目の前にはここへ来た時と変わらずに逸しも乱れぬ凛とした美しさのままの彼の姿。
当たり前だと思った。
だって、彼は欲にまみれた人間じゃないんだから。
それでも私はもっと彼の事が見たくて、もっと彼の事が欲しくて、震える両手で彼の黒いマントを掴んだ。
「…なに」
「…もっと、…」
「…は?」
「…もっと、ぁ…欲しい、」
「…俺を欲しがるなんて人間のくせに悪戯な女だね、リネル」
彼はそう言うと首元の紐を解いて黒いマントをバサリとベッドの下に落とした。
彼の想像通りの細身の体型が現れると、私は彼の胸元の白いスカーフに手を伸ばした。
手を引くとスカーフは案外するりと簡単に外れて、彼はそれに続き 私の目の前で見せつけるように服を脱いでベッドの下に落として行った。
月明かりに浮かぶ彼の身体があんまりキレイで、私は目を細めてそれを見つめた。
彼は私の寝着も全て取り払うと再び私に覆いかぶさり 私のナカに指を侵入させてた。
「んんっ!…あ、!…はぁ!っ」
見た目は人間と変わらないのに体温の籠らない冷たい身体が私と彼は全く別の生き物なんだと告げていた。
でもその事実がさらに私を興奮させて、早く彼と繋がりたいと思った。
指の動きを早められると再び身体が次の限界を伝えてくる、彼はそれを煽るように私の目を見て言った。