第8章 性欲(イルミ/童貞/甘)
そして次の日の夜。
入浴後にホテルのベッドの上に座り込んで、互いにバスローブ一枚の姿のまま2人は話をしていた。
「リネル自分でシろって言ったけどさ、考えてみたら昨日のは自分じゃ無理だよね」
「そりゃ…ね。自分でする時は手でするんだよ」
「それは知ってるけど、知識としては」
「試しにやってみたら?見ててあげる」
「は?いい。リネルして、昨日の」
「んー…だってさ、イルミ自分だけイったら勝手に先に寝ちゃうんだもん。だから今日は2人でしよっか」
「2人でって…セックス?」
「そ」
「いいよ、だからそういうの興味ないんだって」
「大丈夫だよ、昨日の延長線だから。昨日よりもっと気持ち良くしてあげるよ」
リネルは片膝を立てて座っているイルミの足の間に膝立ち状態になり、イルミの両頬を両手で包み顔を覗き込む。
「キスはしたことある?」
「あるよ」
「へぇ、誰と?」
「アルカ」
「アルカって、例の弟?…まさかほっぺにチューとか言わないよね?」
「うん、そうだけど?」
「…ま、いいや。…キスしていい?」
「いいけど」
リネルはニッコリ微笑み、イルミの唇に優しく角度を替えながらキスを落としてゆく。
軽いキスを繰り返し、リネルはイルミの唇をペロリと舐めた。
「…イルミ、口あけて?」
「なんで?」
「なんでって、舌…入らないよ」
「え、舌なんか入れるの?」
「うん、…舌絡めるの、気持ちいいんだよ」
「…ん…」
会話の際の口の隙間からリネルは舌をイルミの口の中に滑り込ませ、舌を絡めながら水音を含ませたキスを深めてゆく。
リネル に合わせ少しづつ舌を絡めてくるイルミに嬉しさを覚えつつ、マリルは身体が熱くなるのを感じていた。
「キスは…嫌、じゃない?」
「…ん、汚いことしてるのに…嫌ではない」
「ん、そっか」