第7章 運命(イルミ/クロロ/従姉妹/妊娠/エロなし)
「…嘘、…でしょ……ッ」
「あーあ、リネルが悪いんだよ?俺の言うこと大人しく聞いておけば普通に手術してもらえたのにね」
前を見据えたまま抑揚のない声で言うイルミに、リネルは事の重大さを理解した。
次の瞬間には無意識のうちに部屋から逃げるべく身体が勝手に走り出していたが、すぐに後ろから腕を掴まれ捉えられてしまった。
「…おっと!往生際が悪いな、君のお腹切るためにイルミにいくら払ったと思ってる?大人しくしててくれ」
「いやっ!!!離してっ!お願い!!!離してぇぇっ!!」
離してと叫んだところで解放されるわけではないと頭が理解しているが叫ばずにはいられなかった。
そんなリネルの悲痛の叫びを楽しむかのようにクロロがギュッとリネルを後ろから抱きしめてきた。
「…大丈夫、怖がらないでいい」
「いやっ!!!いやぁぁあっ!!!!!」
「…そんなに嫌がられると、…余計に、我慢がきかなくなりそうだな…」
クロロは狂気じみた目をリネルに向け、リネルの頬をゆっくり舐め上げた。
そんなクロロの動作を横目に捉えたイルミが頭だけをスッと回し、珍しく眉間に皺を寄せて言った。
「あのさ、何度も言うけど、クロロがしていいのは腹の中身出すだけ。リネルに余計な事したら殺すよ?」
「…わかってるよ、…ふ、お前も心配性だな」
クロロはリネルを横抱きにし、部屋のテーブルに仰向けに寝かせると、どこからか取り出したベルトでリネルの手足を固定した。
「やっ!!!やだ!やめてっ!!離してぇぇっ!」
「おいおいあんまり暴れるな、聞いたろ?君の事は傷つけたくないんだ、………なるべく」
「クロロ」
「…ふ、冗談だ、いちいち本気にするな」
表情は相変わらずの爽やかなままなのに瞳に光るほどの狂気を込めたクロロがリネルを見下ろす。
リネルはそんなクロロを涙で滲んだ視界に捉えて、悲痛の声をあげた。
「…っお願い!!離して!お願いします!私っ…私はこの子を産んで育てて…っ、ちゃんと愛してあげたいだけなんです!!生きてるんです!今も!!ここでっ!!!」
「あーほんとうるさいなリネルは」