第7章 運命(イルミ/クロロ/従姉妹/妊娠/エロなし)
「なんでそんな酷い事が言えるの?!聞いてるんだよ!お腹の中で!!!」
「だから?俺にとってはそれだけの存在ってだけ」
「……、私は、ただ、この子を…守りたいだけ」
顔を伏せて必死に涙をこらえるリネルをイルミは静かな目で見下ろして言った。
「…とりあえずまた連絡する」
「…っ…、……え?」
「それまでは大人しくしててよ」
「……………」
何事もなかったかのように踵を返しその場を去るイルミの後ろ姿を見ながらリネルは、両手をお腹に当てて語りかけるように言った。
「…何があっても、守るから」
あれから3日後、リネルは震えた携帯の着信の主の名前を確認して表情を強張らせた。
このまま逃げてしまえればどれだけ楽かとは思うがいつどこで見つかるかもわからない、何としても決着をつけなければならなかった。
リネルは心を落ち着かせるよう深呼吸をして電話に応じた。
「リネル?夜この前のホテルまで来て」
「…わかった」
「じゃ」
「あ、イルミ」
「なに?」
「私の、…私の考えは変わらないから…!」
「…ふぅん」
そのまま切られた携帯電話を握り締め、リネルは覚悟を決めたように下唇を噛み締めた。
夜に指定された先日のホテルに部屋の前まで来るとリネルは部屋の前で両手の拳をキュッと握り締めてから、部屋のドアを開いた。
「リネル、意外と早かったね」
部屋の大きなソファに足組をしたイルミが顔を入り口に立つリネルに向けた。
リネルはイルミの顔を見つめた後、イルミの向かいに座る人物に目線を移し言った。
「…どちら様?」
「ああ、失礼しました」