第7章 運命(イルミ/クロロ/従姉妹/妊娠/エロなし)
「お金なんかいらない、認知もしなくていい、迷惑かけないから…だから産みたいの!」
「無理でしょ、バレるよ母さんに」
「叔母様とは…ゾルディックとは一切縁を切ったっていい。どこか誰もいない所で1人で産む、そしてこの子と2人で生きていく。それならバレないし迷惑もかからない」
「お前バカなの?母さんと唯一の血縁であるお前がいなくなったりしたら血眼になって探すよ、見つかるのは時間の問題だし、仮に見つからなかったとしても真っ先に疑われるのは俺、俺とお前が会ってるの知ってるしね」
「…見つからないようにする、…絶対に」
「どこにそんな保証あんの?お前も知ってるよね?俺は来月親が決めたどっかの財閥の女と結婚する。
なのにこんなスキャンダル発覚しましたじゃ困るんだよね」
反論の糸口がわからずリネルは両手の拳を握りしめながら声を絞り出した。
「…全部、イルミの都合…だよねそれ」
「だからなに?」
「…勝手にあんな事しておいて、邪魔になったら、堕ろせって…。迷惑かけないって言っても、縁を切るって言っても、それでもダメなの?!私はこの子を守らなきゃいけないの!イルミの都合なんか知らないよ!!」
イルミは反射的にリネルの首を片手でグッと掴み上げた。
リネルは苦しそうに顔を歪めながらも強い意志を宿した目でイルミをじっと見据えた。
「…いい加減にしないと怒るよ、リネル」
「…決めたのっ…くっ、…もう。絶対、産むって…」
「お前に決定権なんかないよ」
「……そ、そんなに嫌ならっ、殺せばいい、私を…この子ごと…」
「ああそうだね、出来るもんなら今すぐにでもそうしてやりたいよ本当に」
「…出来ない、っ…の?」
「出来るわけないだろ、血縁者は殺せないからね。お前を殺したらうちにとっては結婚話がダメになる以上の大問題なんだよ」
「…それなら、っ、この子だって、血縁だよっ!!…」
「「それ」は生まれることも出来ないただの肉塊、そんなの認めない」
イルミは突き飛ばすように乱暴にリネルの首から手を離した。