第5章 ミッション(若イルミ/使用人/グロ)
翌日、イルミに連れられ初めて入る地下室へ脚を進めた。
リネルはアルカに会うのは初めてだった。
2人は無言のまま何重にも重ねられた暗号鍵付きの扉を次々と通り抜ける。
最後の扉を開けると、そこはまるで絵本の中のような可愛らしい部屋でその中にはこんなところに閉じ込められているのが不似合いとしか言いようのない愛らしいアルカがいた。
アルカはにっこり笑顔を覗かせ、イルミに駆け寄ってきた。
「あー、イルミお兄ちゃん!」
「アルカ、次のお前の遊び相手が決まったよ」
「えー?イルミお兄ちゃんは遊んでくれないの?」
「俺は忙しい。ほら、次の遊び相手のリネル」
リネルは名前を呼ばれイルミの後ろから笑顔でアルカに話しかけた。
「初めまして、アルカ坊ちゃん。リネルです、どうぞよろしくお願いします」
「リネルー?うん、よろしくー」
まだ幼さの残るリネルの笑顔に心を許したのかアルカは満面の笑顔でリネルにニコリと笑って見せた。
2人の様子を無表情で見ていたイルミが身体を反転させ、入り口付近に足を戻した。
「じゃあ、結果は夜に報告して」
「はい、かしこまりました。」
「イルミお兄ちゃんはどこ行くのー?」
「俺は仕事、じゃあねー」
それだけ言うともう一度2人をちらりと見て、イルミは部屋を出て行った。
二人きりになりとアルカは相変わらずの笑顔でリネルに話しかけてきた。
「ねぇリネルー、何して遊ぶのー?」
「そうですね…。アルカ坊ちゃんは何がしたいですか?」
「うんっとねー、じゃあお絵描きしようかな!」
「いいですね、一緒に描きましょうか」
「うん!」
パタパタと部屋を走り、画用紙とクレヨンを手に取り床に並べて絵を描き始めるアルカの横でリネルは、目の前にたまたま見えたウサギのぬいぐるみを真似て描いてみた。