第19章 ハニートラップ (イルミ/妹)
ふっと身体が浮く感覚の次にはじっとり見下ろしてくる兄の顔が目の前に広がった。抵抗の間すらない一瞬の出来事にリネルはただ戸惑う顔をする事しか出来なかった。
「や、…離してっ…!」
「抵抗してどうすんの、リネルはただ頃合い見てオレを殺せばいいだけ……こっちが好き勝手やってるうちにね」
このままでは悪戯に行為が進むだけ、仕方なしにリネルは身体の力を抜く。
それを確認すると イルミはリネルの服を捲り一気に下着を押し上げる。ビクンと身体を緊張させるリネルの胸元に顔を寄せ 胸の中心に可愛らしく色付く突起の回りをそっと舐める。もどかしいその刺激にリネルはきゅっと目を瞑った。
「…ん、…ッ」
「何してんの?」
「え、」
「演技はありだけどさ、実際感じてどうすんの?」
「…ち、違うッ!!」
「なら早く終わらせなよ。普通このくらいまでやらせれば隙も見えてくる、もっと集中しなよ」
突起の先端を舌先で撫でられる。イルミの言っている事とやっている事に矛盾を感じてしまう。集中力を乱される甘い刺激に リネルの噤んだ口から小さな喘ぎが漏れた。
「…ぁ…、ッ」
「やる気あるの?」
イルミはリネルの胸元から顔を上げる。
「あ、ある…あるよっ!!」
「拷問の訓練で痛みは我慢出来るのになんでこんな事に耐えられないの?」
「大丈夫っ…、耐えられる慣れないだけ!!ちゃんとやるから」
イルミは焦った顔をするリネルの下半身に手を伸ばす。服の間からするりと手を入れ 下着の上から秘部を撫で上げると 抵抗するようリネルの眉間が歪む。
“も、やだ………ッ!!”
リネルはイルミの首に両手を掛けグッと渾身の力を込める。イルミは平然としたままリネルを見下ろし、自身の首を掴むリネルの手首を抑えた。
「無理だよ、リネルの力じゃ首の骨折るにも一瞬じゃいかないしこうやって抑えられたら逃げ場もない。第一全然力が入ってない」
「くっ…、…」
「集中しろってば」