第19章 ハニートラップ (イルミ/妹)
「小さ。確実にミルキの方があるね」
「…ミルに、や、キルとも…こういう訓練、するの…?」
「男同士ってのもあるからね」
顔を真っ赤にしているリネルの表情を見ながら イルミはやわやわと胸を刺激する。下着をズラし 中心部を避けたまま愛らしい膨らみを焦れったく手のひらで転がしているとリネルが身体を少しよじらせていく。
「……ッ、……」
「気持ちいいの?」
「ち、違っ…!!!」
「いいよ別に。今はリネルがターゲットの役だしね、話は聞いて理解してくれれば」
「、……っ」
「どこまでやるかの頃合いは自分で見計らえばいい……確実に殺せるなってタイミングまで」
眉間を寄せるリネルに顔を近づけ 絡め取るように深く唇を合わせる。それと同時に既に硬度を増している小さな乳首を指先でくるりとなぞれば リネルはきゅっと目を瞑る。
「……ッ」
「…リネル」
唇が解放される唾液が2人を繋ぎ視線がぶつかる。
イルミの表情は最初と変わらず微塵も崩れてはおらず、そんなイルミにリネルは少しの恐怖を感じた。
イルミの片手がスッと顔の前に降りてくる。
「今のリネルは一瞬で殺れる」
「……ッ……!!」
「こういう事ね」
イルミはリネルから手を離すと サッと痩躯を起こし、ベッドの淵に浅く腰掛けた。
「わかった?」
「ん、…わかったけど…」
「うまく使えば有効な手段ではあるよ」
「……わかるけど……なんか難しそう」
「慣れればなんてことないよ」
イルミはベッドから立ち上がった。
「じゃあ今から外出て」
「え、…外…?」
「そう。外でキルアとカルトが親父と鬼ごっこしてる、リネルも3時間それに混ざってきて。その後今の訓練の続きね」
「…なんで…?」
「なんでって興奮した身体のままでやっても意味ないし。いいね?」
つい不満気な表情を見せるが、そんなもの無駄な抵抗である事はよく知っている。期待通り、イルミは「早くして」と一言言うとその部屋を足早に去ってしまった。
「…ハニートラップ、…嫌な訓練だな…」
ポツンと言った後、リネルは屋敷の外へ出た。