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〈短編〉H×H(裏中心)

第19章 ハニートラップ (イルミ/妹)


数歩後ろに下がったイルミは表情を変えぬまま リネルに静かに言い放った。


「訓練なんだからさ、真面目に話聞いてやってくれない?」

「でも、…こんなの…」

「いざって時に使えないんじゃ意味がない。リネルだって暗殺者なんだからこれだって立派な手法のひとつだよ」

「うん、わかった…」


イルミは再びリネルに近付き リネルの小さな顎先を指でとらえ、唇を重ねた。そして少しづつ舌を押し進めながら リネルの舌を絡め取っていく。それはこの家に囲われて育ってきたリネルには初めての感触で、背徳感に駆られながら苦しげな吐息を漏らした。


「イルに……、や…ッ」

「…後でリネルにもやってもらうよ、ちゃんとやり方覚えて」

「んんっ」


イルミは時折口を離しながら説明を述べてゆく。


「はぁっ、…」

「リネルの場合女だし、ある程度自分から攻めたら後は相手のやりたいようにやらせてもいいかもね」

「…どゆ、事?」

「一般的に男はセックスの主導権を握りたがる。中にはマゾな奴もいるとは思うけど相手の趣向は何回かやってると雰囲気でわかってくると思うから」

「んっ、……うん」


イルミはリネルを横抱きにすると、ベッドに寝かせその上に覆い被さった。未だ戸惑いの色を浮かべるリネルの白い首筋に顔を埋め、這うように舌を滑らせた。その感触にリネルの身体がピクンと震えた。


「ッ……」

「どんな感じ?」

「どんなって……、…ゾクって、する…」

「初めてならそんなもんだよ。相手が童貞だったらリネルがこうやって攻めるんだよ」

「…ん…ッ」


イルミの片手がリネルの胸元に伸びる。リネルは焦った顔をして咄嗟にイルミの手首を掴んだ。イルミはそれを咎めるようにリネルに視線を投げ、力が緩むと小さな胸を片手で包み込んだ。


「っ、……」

「男でも胸攻められるの好きな奴もいるけどさ、男は股間の方が断然早い」

「っ、…や…」

「聞いてるの?」

「き、聞いてるよっ」


イルミは両手をスルスルとリネルの服の上着の中に差し込み、下着の上からリネルの胸に 大きな両手をそっと押し当てた。

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