第13章 遺伝情報(クロロ/会話プレイ)
「俺は別に恋を叶えたい訳じゃない」
クロロは私のブラウスの胸元についたリボンを細長い指でゆっくりと解いていった。
「どういう意味?」
「1度でいいから手に入れてみたいんだ」
「恋を叶えたいのと…何が違うの?」
始まった、クロロの変な持論展開。
でも私はその話を聞くのが嫌いじゃない。
私はクロロの首筋に顔を寄せると そこを撫でるように舐め上げた。
クロロは少し顎を上げてそれを促しながら、私の長い黒髪を指先ですくって指の間に絡ませていた。
「全然違うだろう。初めから別れを予期して付き合い出すやつがあるか?」
「じゃあ別れを前提に姉さんが欲しいって言うの?」
「そうとも言える」
「…変なの、好きなら一生側にいたいけどなぁ。…私なら」
側にいたい。
離れたくない。
ちゃんと私を見て欲しい。
私はクロロの顎先にキスを落とした後、クロロの首筋にきつく抱き付いた。
「わからないか?終わりがあるから美しいんだ」
「美しくなくていい。…だから私はこのままずっとクロロの側にいたい」
クロロは 私の頭を引き起こすと、私の唇に自分の唇を重ねてきた。
でもすぐに離される。いつものこと。
「俺がどう見える?」
「どうって…」
私はクロロの耳元で、囁くように口にした。
精一杯の甘い声で、誘うように。
「クロロは揺るぎない強さを持ってて人徳も美貌もあって。私にとっては完璧に近い」
「なるほど、他には?」
いつの間にかブラウスの前のボタンを全て外されてた…
クロロは手が早い、色々。
簡単に広い手のひらを中に差し入れてくる。
私は嫌味を込めて口にした。
「なのに女の趣味が最悪。変な世界観を持ってて時々ついていけない。…妙に儚げ」
「そういう事だ」
「…ッ、どういう事?」
またわけのわからない事を言ってる。
クロロは 下着の上から包むように私の胸を撫でてくる。
「俺達の関係もいつ終わりが来るかわからないから、二面性が見えてくる。相反する二つの個性が互いの長所をさらに引き上げより美しく見えてくる」
「…別に一生の中でもあってもいいんじゃないの?二面性」
「まぁな、しかし一生という長い時間の中では二面性はすぐに日常と化す。最終的には互いの長所を殺してしまうわけだ」
「…よくわからなくなってきた。何が言いたいの?」