第13章 遺伝情報(クロロ/会話プレイ)
「クロロ、いつになったら私と付き合ってくれるの?」
「リネルがもっと大人になったら」
柔らかい雨が降る午後。
私はクロロの部屋のベッドで読んでもいない雑誌を広げていた。
そして窓際の椅子に腰掛け 本に目を落とすクロロを睨むように見つめていた。
「大人になったらって、私もう大人だけど。いつくか知らないの?」
「24、だろ」
「大人でしょ立派な」
不機嫌そうにクロロにそう言うと、しらっとした声を返された。
「なら男のベッドに当たり前に寝転ぶな。そういう事を言っているんだ」
「ちゃんと付き合えば問題ないよね?」
「付き合わない」
「ならベッドから降りたら付き合ってくれる?」
「なんでそうなる」
私はベッドから降りるとクロロの元まで行き、甘えるようにクロロの膝の上に頭を乗せて 確信をついた。
「いい加減諦めなよ」
「お前に関係ないだろ」
「趣味悪過ぎ。私と同い年の息子いるんだよ?近親相姦と同じようなもんだよ」
「彼女と俺は血縁じゃない」
「どこまで本気なの」
「全部」
「絶対離婚なんかしないよ、シルバ義兄さんはあれでも愛妻家だし」
「名前を出すな。それだけで胸糞悪い」
クロロは本を閉じると私を睨み付けてくる。
いい気味。
つい嬉しくなって私はクロロの首筋に両手を回した。
「クロロのその顔好き」
「俺はお前のその薄ら笑い顔が嫌いだ」
クロロのこの顔、大好き。
いつも余裕そうな顔をしてるクロロの不機嫌そうな顔。
私はクロロの首筋に頭を預けた。
「どうして?キキョウ姉さんによく似てるでしょ、私」
「ああ、顔はな。だが表情は大違いだ、彼女はそんなに下品に笑わないだろ」
見せつけるようにクロロに顔を寄せて、わざとらしく にっこりと笑って見せてみた。
クロロは私の唇を人差し指でゆっくりなぞりながら 口角をあげた。
「それなりにはよく似ているが。…唇の形は少し違う」
「……気持ち悪い男。もういいよクロロなんて、一生叶わない恋でもしてれば?」
むかつく。
私はクロロのスッと通る鼻筋に甘く噛み付いた。