第12章 同化(イルミ/ストーカー/狂愛)
イルミはそのまま私に身体を落として私の耳元で荒い息をたてる。
ここまで呼吸を乱してる所は初めて見るかも。
イルミは羨ましいくらいに細いけど…さすがに重い。
「リネル…、」
「…なに?」
「リネルが好き過ぎて壊れそう」
「…え」
「一緒に壊れてくれる?」
「……」
「壊してもいい?」
「……」
「なんてね」
そう言って私の頬にキスを落とす。
壊れるって…
壊れる。壊れる?
どういう意味だろう。
最近大事な事を忘れているようで、それが何なのか思い出せなくて。
行為を拒む事も出来なくて、半ば無理矢理抱かれても気持ちいいと思ってしまう私はもしかしたら少し壊れてるのかもしれない。
どうして?どうしてこうなったんだろう…
“あ、またイルミの声が聞こえる。”
一人で壊れるのは怖いけど、一緒にならいいよ。
怖くないかも。
今日はやっぱりいつもよりもよく響く。
“重くて深いあの声。”