第12章 同化(イルミ/ストーカー/狂愛)
3日目《普通》
イルミに言われた通り 私は少しお出掛けしようと思って 部屋を出て、広い家の廊下を歩いてみた。
広い広い、ひろーい家。
全部回ろうと思ったら相当時間がかかるんじゃないかな、イルミがいない時はとりあえずこの家を散歩しようかなって思った。
しばらく歩いていると後ろから知らない声を聞いた。
「あんた、誰?」
「……ええと」
銀色の髪をした男の子。
投げられた質問にいい黙っていたら、男の子はひょいと私の側に寄ってきて、私の顔を怪しむ目付きでじっと見つめてきた。
「……それ兄貴の…、」
「イルミの、弟さんですか?」
兄貴と言ったから イルミの弟なのかなって思ったら正解だったみたい。
キルアと名乗ったその子は、私が何故ここにいるかとか、私はイルミのなんなのかとか、ここで何をしているのかとか 色々質問してきた。
私はわかる範囲で、答えられる範囲で質問に答えた。
子供には言えない事もあるし。
「…リネルは好きなの?兄貴が」
「…うん」
「…ふーん」
その後しばらくキルアと話した。
イルミ以外の人と話すのがすごく久しぶりな気がして、楽しかった。
キルアはこの家の愚痴や友達の話等 色々と話して聞かせてくれた。
友達……友達…?
“あ、イルミの声が頭に聞こえる。”
そういえばキルアはイルミへの文句も派手に言ってたな。
キルアの話によれば どうやらイルミは結構ブラコンみたいで、その過保護っぷりに少し笑ってしまった。