第12章 同化(イルミ/ストーカー/狂愛)
イルミは顔を落とすと私に甘く唇を重ねてくる。
本当に今日は優しくしてくれた。
よかった、痛くなかったし…気持ちよかった。
「リネル、好きだよ」
「…うん」
「リネルが好きだからついこういう事しちゃうけど身体目当てってわけじゃないから。順番おかしいけどちゃんと付き合おう?」
「…うん」
行為後の疲れた身体のせいで考えるのが少し面倒で適当にそう返事をした。
イルミは私から身体を引き起こすと さらりと流れる前髪を無造作にかきあげた。
やっぱりイルミはどこかキレイだ、さっきまで私を揺さぶり突き上げてた人には見えなかった。
「リネルもさ、俺が仕事でいない時は出掛けたり好きな事やしたい事してていいからね」
「好きなこと…?」
「うん。ただ待ってるだけじゃ退屈でしょ」
好きなこと…したい事…
少し考えてみた。
「…に会いに行こうかな」
「え?」
「は親友だから…、イルミと付き合う事報告しようかな」
タクトじゃなくて何故かイルミと。
うまく笑えてるかわからなかったけど、私なりに笑顔を見せたつもりだった。
トンッ
「俺がいるのに友達なんかいらないよね?」
…さっきまでなんの話をしてたんだっけ?
思い出せなかった。