第12章 同化(イルミ/ストーカー/狂愛)
「…うっ…ッ、…んっ、…ふぁ…ッ」
部屋には しばらくの間、抵抗を諦め泣くこときか出来ないリネルの嗚咽とぶつかる身体の音だけが響き合っていた。
ラストが近いのか動きをますます荒くし 顔を歪めたイルミが、吐息の混ざる声を出した。
「…リネル、……イく…………ッ…」
「いやッ…、…や、…やめて……っ……」
最後の抵抗を嘲笑うかのように、リネルの中で欲望を全て吐き出したイルミは、すぐに呼吸を整えると愛おしそうにリネルの額にそっと唇を押し当てた。
「リネル、好きだよ」
「…私は嫌い…イルミなんか大っ嫌い…ッ」
泣きながらそういうリネルを見下ろし、イルミはふと首を傾げた。
「いくらリネルでも俺そういう冗談はあんまり好きじゃないんだけど」
「…きらいだよ、大っ嫌い…出てってよッ…」
「…ちょっと強引だったし拗ねてるの?それとも俺に抱かれた事が恥ずかしいの?」
「…私の前から消えて…」
「……素直じゃないんだねリネルは」
トンッ
「リネルが素直になれるように。俺は素直なリネルが好きなんだ」
次の瞬間には リネルの目から涙は止まっていた。