第12章 同化(イルミ/ストーカー/狂愛)
イルミは 警戒心で身体を硬直させているリネルの寝間着のボタンにゆっくり手をかけた。
「やっ、…な、何するの…?!…」
「何って、リネルがしたかった事だよ」
目線はリネルに合わせたまま、イルミは手先だけをするすると器用に降ろしていった。
「…したかった事って、…何、それっ…」
「言わせたいの?俺としたかったんでしょ、セックス」
「……は………?…」
「俺の気を引くため、俺に抱かれるための嘘だったんでしょ。全部」
どくん…どくん…どくん…っ
瞳に狼狽の色を浮かべるリネルの顔を、イルミは無理矢理に押さえつけた。
「いや!!…や、やめてっ!!!」
「やめてってどうして?あ、そうか、俺に見られるのが恥ずかしいの?」
「違っ…離して…っ!!」
「恥ずかしがり屋だねリネルは。大丈夫、どんな姿でもリネルはキレイだよ」
リネルはそのまま 唇を押し重ねられた。
唇の隙間から濡れた舌が容赦無く侵入し リネルはそれから逃れよう顔を歪ませた。
歯がぶつかる程に強引に舌を掬われ、きつく吸い出されるように 舌を弄ばれると、リネルの目からは生理的な涙が溢れていった。
「んんっ!…くちゅ、…んっ!!」
「リネルの唾液は、…美味しいね…、」
いつの間にかひやりとした手のひらが寝間着のズボンに侵入し 脚をするりと撫でられたと思うと、その手は強引にリネルの寝間着と下着を取り払い 下半身が外気に触れ、 リネルはビクリと身体を震わせた。
ぶるっ…
「…はぁっ!!…や、やめッ…」
「…、…リネル……ッ…」
ふと唇が解放されると 糸を引く唾液を艶かしい舌先で器用に舐めとるイルミが目に入った。
その鳥肌を覚える光景から目をそらすべく瞳を下に向けると、リネルは表情を硬く引きつらせた。