第2章 似た者同士(イルミ/妹/近親相姦)
その夜、リネルは自分の部屋を抜け出し廊下を進む。
基本的に鍵をかけないイルミの部屋までくると躊躇なく部屋のドアを開け、中に入る。
イルミはまだ帰宅していないのを知っており、リネルは殺風景な部屋をぐるりと見渡した後、整えられたベッドに腰を下ろし、ごろりと横になった。
「何してるの」
いつの間にか寝てしまったしいが、ふとイルミの声で目を覚ます。
重い瞼を開けると目の前には、枕元に立ち、じっとリネルを見下ろしているイルミと目が合った。
「見てわかんない?寝てるの」
「俺の部屋なんだけど」
「たまにはイル兄と一緒に寝たいなぁって思って」
「リネルと一緒に寝た事なんてないと思うけど」
リネルが身体を起こすと、めくれた裾からはスッと伸びた脚がのぞき、はだけた服からは肩が露わになっていた。
「ママがね、私にお見合いしろって言うの」
「ふーん、ずいぶん早い気がするけど」
「ね、まだ私はここにいたいのに」
「でもまぁリネルは女だしね、結婚してってそれもいいんじゃない?」
「…イル兄は嬉しい?私が結婚したら」
真面目な顔で聞いてくるリネル
にイルミは顎に手を添えて言った。
「んー、どうかな、考えた事ないし」
「じゃあ考えて」
「…まぁ嬉しいかな、結婚て一応めでたい事だし何より家族がいい方向に行くのは」
「…そっか、じゃあイル兄が喜んでくれるなら頑張ろうかな」
イルミの顔を見ながら口元を綻ばせるリネルに、イルミは首を傾げて言った。
「どうしたの?朝は反抗的だったけど今はずいぶん従順だね」
「…私、イル兄の事好きだもん。だからイル兄の言うことは聞くよ」
「ふぅん、ならもっとキル「イル兄の事が好きだからイル兄が好きなキルの事は嫌い」
じっと見つめてくるリネルの顔を見返し、イルミはしらっとした声で言った。