第2章 五十嵐家
ダイニングへ行くと、揃って着席。
「ここ、座っていいよ」
智くんが指した席へ座る。
私の向かいの席にはあのツンデレ和也くん
ムスっとして私を睨みつけてる。
怖いな、なによ彼は。
「和、ちゃんと笑って。」
「いや、ツッコミおかしいからね」
すかさず翔くんが突っ込む。
「それとも、代理人が嫌なの?」
「べ、別に嫌じゃありませんけど…」
と照れ始めるかれ。
やっぱりツンデレだ、彼は。
「改めて、いただきまーす!」
「こら。勝手に食べ始めるな」
「いいじゃん、お腹すいてたんだもん」
「まあ、いっか」
彼もやっぱりゴーイングマイウェイだ。
黙々と食べるなかで、
ツンデレ和也くんがチラリとこちらに視線をやる。
「…?
おかわりいる?」
「いや、」
困った顔をする和也くんに、
私までも困った顔をする
困られたら困るわ。
「どういうわけで来たか知らないけど、
俺、お母さんなんか要らないから」
いきなりズキっと来る発言。
シーンと(元からシーンとしてたけど)
静まり返るダイニング。
「ど、どういう…」
「本当の母さんでもあんま世話されないのに
代理人?まじ、ふざけてるでしょ」
と鼻で笑うかれ。
なんだか、傷つく…
咲和さんの悪口言われると…
「それは皆を養うために…」
「それが不要って言ってんの。
必要な時に居ない母親なんてさ、
結局、他人と一緒じゃん?
だったら代理人も一緒なんですよ」
バンッ
凍りついた空気を変えるかのように、
雅紀くんが机を思いきり叩いた。
「…そうゆうの、やめよ」
「…。」
「せっかく来てくれたのに、
泣かすような事しないで、和。」
「はいはーい」
と頬杖ついて、そっぽ向く和也くん。
「ごめんなさい、」
雅紀くんが深々と頭を下げる。