第9章 想い
家に着き、
荷物を隆平くん達に任せ
私は晴実さんに連絡した
『…はい、もしもし。ちゃん?』
「晴実さん。お疲れ様です。」
『お疲れ様。どうしたの?』
「実は、あの…」
と聞こうとしたら、
晴実さんは悟ったように
『もしかして、代理の…ことかい?』
そう聞いた。
「はい。咲和さんから連絡あって」
『そうかい…。
いや、実はね、前に言ってたんだ
仕事が早く終わるかもしれないから
もしかしたら頼んでる期間が
短くなるかもしれない、って。』
「…そう、なんですか」
『まあ複雑な家庭環境だもの。
そういう事態も仕方ないのかもしれないね』
晴実さんはそう優しく言った
約束、破ること
みんなは怒るのかな?
怒るよね。
結局は仕事かよ、って…
『一度、事務所に戻ってくれないかい
詳しく話をしたいからね。これからのこと』
「はい。2時までに向かいます」
ピッ。
顔に出てたかな。
翔くんすごく心配そうだった
今の翔くんに、
心配は掛けたくなかったのに…。
どうしたら良いのかな。
気持ちが、ゆれてる。
「とりあえず戻らないと」
あくまでも仕事、なんだから