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母親代理人

第8章 精神状態







家に帰ると、リビングは暗くて



みんな、もう寝たのかな?
ってリビングの電気を付けると



ソファーには潤くんの姿




「じゅ、潤くん?」



声を掛けると、

潤くんはこちらに振り向き
おかえり、と微笑んだ




歩み寄ると手のひらには



家族写真があった。





咲和さんと旦那さん。


その前には三つ子の3人が
楽しそうに笑ってて



咲和さんの右隣に


微笑み立つ翔くんと、

旦那さんの左隣に緊張した顔で
ピシッと立つ智くんの姿。




「それは?」




写真を指さすと、


潤くんは「ああ、これ?」と



小さく笑った。





「ここに初めて住んだ日に
家族全員で撮った記念写真だよ」



「楽しそうだね、みんな」



「この時は仲良しでさ
父さんも仕事バリバリしてたんだ」




懐かしそうに眺める潤くん。




確かに背景に写る家は



今より綺麗だった。




「多分さ、歯車が狂ったんだよ
母さんもきっと帰っては来ない
父さんも戻る気はないと思う」



「そんなことないよ!きっとさ…!」





なにか、言おうと口を開いたけど。




肩を震わして、

泣いている潤くんを見てたら



何も言えなくなった。




翔くんに冷たい言葉を言ったのも




たぶん…。


彼を思っての事で。



翔くんを一番、
心配してるからなんだ




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