第8章 精神状態
辺りを見回すと、
翔くんは弱々しく微笑んだ。
「…なに。みんな深刻そうに」
でも、そんな言葉も
痩せ細ったその顔じゃ、
何も説得力がない
「…大丈夫だよ、俺は。
だからそんなに心配しなくて…」
「大丈夫じゃないよ。」
智くんが珍しく険しい顔つきで
翔くんをまっすぐ見て言った
「どこが大丈夫なの。
倒れたじゃん。やつれてるし
それのどこが、大丈夫なわけ」
「智兄ちゃん!!」
「へ、平気!!最近体調悪くてさ
でも大丈夫だから!心配しなくても」
翔くんは何故か焦ったように、
そう弁解してる
雅紀くんは申し訳なさそうに、
口を閉じている。
「前もそう言って倒れた!!
その前も!!その前の前も!!
もう!いい加減にしてよ!兄ちゃん!」
「お前らには分かんねえだろ!!」
どん、とベッドを叩きつける。
乱れた髪が翔くんの顔を隠す