第8章 精神状態
潤くんはギュッと手を握り
涙を堪えるように、
大きく大きく息を吸った。
「知ってた。頑張ってることも
ぶっ倒れそうだったこと
でも俺は知らんぷりしたんだ
父さんが居ないこと、母さんのこと
全部、翔兄ちゃんのせいにしてた
上手くいかないこと。全部だよ
最低だろ?なんにも悪くないのに…」
「潤!!」
「………もう、終わろうよ…
こんなんやだぜ、俺…」
力なく座り込んだ潤くん
泣き続ける、和也くん。
「……」
なんとか、しなくちゃ。
気持ちだけ一人前に溢れて。
ただ、胸が締め付けられる
「………ん、」
「「翔!!」」
眠ってた翔くんが、
ゆっくりと目を開けた。