第2章 五十嵐家
咲和さんの部屋は、何ともおしゃれ。
私の荷物で品格落としてる感じ…。
「好きに使って良いですよ。
お風呂とトイレは…」
と細かい説明をしてくれる翔くん。
彼が一番、しっかりしてるみたい。
「うるさいのが1人と、
無愛想なのが1人居るけど仲良くなれますよ」
「ありがとう。
それと敬語じゃなくていいからね」
そう言うと、翔くんは困った顔をした。
「分かりました」
と出て行った翔くん。
なんか、訳あり家族なの?
そうだったら咲和さんのバカ野郎だな。
とりあえず!
荷物を片付けて夕飯の支度だね!
「…ダンボールの山積み。
これは時間かかるなあ…;」
と片付けに入ろうと始めたら、
玄関から物凄い大声が響いて来た。
『智にいちゃーーーん!
潤が殴られて血が出てるーーー!
あ、怪我なら翔兄ちゃんかなーーー?』
『うるさいよ、雅紀』
『だって酷くなったら大変じゃーーん!
ねえ!智兄ちゃん!!いないのおおおお?』
うるさいのが、って彼かな。
それにしてもほっとかれてるような
ちらりと部屋から顔を出して見てみると、
『もう、うるさいってば。
お母さんが来てるんだから静かにして』
『え、帰って来てんの?お母さん』
『…(バシッ)』
『いてっ、なんだよ!』
『母親代理人の人が来るって、
朝に翔ちゃん話してたじゃん』
『えー?そうだっけなあ』
『雅紀、和とゲームしてたもんね』
なんて笑いそうになる話をしてた。
やっぱり仲良し兄弟だ
良かった、仲が悪くなくて。
『その母親代理人のお母さん、
どこいるの??』
『母さんの部屋だよ。』
『がってん!今から行ってくるーっ!』
『あ、おい雅紀!待てよ!』
とすごい勢いで部屋へ走ってくる彼。
ゴーイングマイウェイ過ぎるだろ。