第2章 五十嵐家
たどり着いた家は、なんと豪邸。
ほんと、咲和さんって何の仕事してるんだろ
ピ-ンポ-ン
インターホンを鳴らすと、
すぐに智くんが顔を出してお出迎え。
ぺこっと一礼すると、
「中に入って」
と玄関を大きく開けてくれた。
なんてジェントルマンなんだろう!
(ジェントルマンなんて初めて使った…)
「今いるの、2人だけ」
「あとの2人は?」
「…たぶん、遊びに出てる。」
ちょっと暗めの返事。
聞いちゃまずかったのかな…
リビングまで行くと、
やっぱり広めのお部屋。
「翔、和。来たから挨拶して」
と呼びかけると一人は立ち上がり、
もう一人はダルそうに立ち上がった。
や、やっぱりイケメンだ…。
「橘花と言います
しばらくの間、よろしくお願いします」
「俺は翔って言います。
よろしくお願いします」
「和也、よろしく」
彼はふう、とため息をついて
ソファーに再び座ってゲームを始めた。
なんだかひねくれてるな
「和は照れてるだけ
本当はいっぱい話したいの」
「…照れてません!!//」
ふふ、と智くんが笑うと
もっと顔を赤くして俯いてしまった。
仲のいい兄弟だなあ。
「そうだ。
部屋に案内しなきゃですよね」
突っ立ってた翔くんが、
思い出したようにそう言った。
ニコッと微笑む彼の笑みは
たぶん、世の女性をおかしくさせてしまうな
「お願いします」
「智兄、俺が部屋に案内するよ」
「あ、うん。」
いつの間にか、
和也くんとゲームを始めてる智くん。
マイペース…、なのかな?
「じゃあ、こっち」
歩き出した翔くんのあとを
慌ててついてった。